こんにちは、男児の母(@chi31123306)です。
今回はなんと、あきた乾癬友の会の代表との対談です!
乾癬歴30年の佐藤佳路子さんの体験談や患者会についてをお聞きください。
対談のきっかけ
私は2019年の9月に秋田市であった乾癬の市民公開講座に行きました。
そこで初めて患者会があることを知り、その場で入会しました。
それから患者会の役員として活動させてもらっています。
代表である佳路子さんとは仲良くさせていただいていますが、患者会について話すことはあっても病気について深くまでお話することはありませんでした。
膿疱性乾癬である息子のことをもっと理解するため、同じ膿疱性乾癬である佳路子さんと対談する運びとなりました。
乾癬のきっかけや病歴
この度はこのような機会をいただきありがとうございます!
今日はよろしくお願いします。
膿疱性乾癬と乾癬性関節炎だとお聞きしていますが、まずはいくつの時に症状が出たか教えてください。
高校2年生の時、頭にできものがあった時があって、気になっていました。
たまたま風邪をひいて近くの内科に行ったとき頭も診てもらって「とりあえずこれで様子見て」と言われ塗り薬を出されたものの、だんだん広がっていき、頭のみならず体にぽつぽつと出始め、さらには足に出ました。
その後、頭より足がひどくなったため、開業医の皮膚科を受診しました。
友達にも見られたくなかったから、足に包帯巻いたりしながら午後の授業を休んで皮膚科へ通院していました。
通院は約1年続き、まだその時は“ひどい湿疹”としか言われませんでした。
思春期の頃に発症していたんですね。
友達に「どうしたの?」と聞かれるのがいちいち辛いですよね。
そしたら高校3年生のある日、知り合いに「喉腫れているよ」と言われ耳鼻科へ行きました。
耳鼻科で診てもらうと「扁桃腺じゃなく甲状腺だから」と総合病院の内科を紹介されました。
総合病院へ行くと、即入院になってしまいました。
自分で違和感はありませんでした?
確かに微熱続きだったり、風邪っぽかったり、動くと疲れやすかったりしたけど、「学校に行きたくない」って気持ちがあったから、そのせいかな?とは思っていました。
肌はどんな状態ですか?
肌は足が特にひどくて、皮が落ちるとかでなく、貝殻のように皮膚が折り重なって分厚く硬くなっていました。
あとは足の爪にも症状が出ていて、爪が分厚くなって爪切りが使えないほどでした。
乾癬の症状もひどくなってたんですね。
では乾癬だとどの段階でわかったんですか?
入院しているときに総合病院の内科の先生は皮膚のこと何も言ってくれなくて、「私嫌われているのかなー」って思っていた。
その時にはもう乾癬だと皮膚科の先生は診断していて、内科の先生に伝わってたみたい。
私は乾癬と言われてないけど、親は乾癬って先生から知らされていたようで。
尋常性乾癬ですか?
乾癬になったきっかけは思い当たりますか?
このときは尋常性乾癬。
甲状腺と肌の感じで、乾癬だってなったらしい。
乾癬になった原因は不明です。
甲状腺が乾癬に関連性があるとは知りませんでした。
先生は佳路子さんに病名を隠していたんですか?
その時代は「乾癬は治らない」と言われていたから、今だから先生の優しさだったと思えます。
治療はするものの言ってくれないから、不安でいる時に看護師さんが見かねて尋常性乾癬だと教えてくれました。
当時の先生は重い病気だからと伝えられなかったんですね。
甲状腺があることでどんなことがありました?
甲状腺によって体調が優れない日が多々あって、手術して取った方がいいって言われるんだけど、まだ高校生でしょ。
身体にメスを入れたくなくて手術はしたくないって言ってました。
乾癬も甲状腺もあったけど、3か月入院した後無理やり退院しました。
気持ち的に難しいですよね、手術に踏み切るのは。
良くなるってわかっていても。
そう、あと高校を卒業したかったし。
日数も足りてないし、でも辞めたくなかったから休学して治療に専念することにしました。
大学病院を紹介され、入退院を繰り返し、高校は無事に卒業しました。
内科で先に甲状腺を治そうと治療していて、卒業を機に手術の話が出ました。
麻酔もするし体の負担は小さくないから乾癬が悪化するだろうと言われていましたが、1つ治した方が体は楽になるだろうということで、手術に踏み切りました。
そして、手術をした後、肌が膿を持つようになったの。
手術が尋常性乾癬から膿疱性乾癬へ切り替わるきっかけだったんですね。
それが19歳の時。
当時の膿疱性乾癬は難病指定でもないし。
膿疱性乾癬になったら今度は手の小指が痛くなって倍の大きさに腫れてきました。
そのあと足の指、他の手の指も腫れては曲がり変形していきました。
それが乾癬性関節炎だったの。
前兆があって、起床時にこわばりが出て、発熱したり、関節が痛んでくる。
痛み止めでもやまない痛みだったりして。
お釣りをもらうとかもできにくくなっていきました。
佳路子さんの両手はすべての指が変形していますが、年数をかけて変形して、日常生活の些細なことですらできなくなっていったんですね。
握力がないことで障がい者申請できると聞いたので、障がい者手帳をもらいました。
障がい者になることを認めたくなかったけど、あるのとないのでは全然違う。
悲しいけど、生活が助かっています。
それにね、その膿疱性乾癬になったときからぶどう膜炎に繰り返しなっているの。
聞いたことあります。
私の息子も膿疱性乾癬なので、ぶどう膜炎になる可能性があると眼科受診しています。
ぶどう膜炎ははたから見てわからないと言いますが、主にどんな症状ですか?
ぶどう膜炎はぶどう膜が炎症を起こすので霞がかかったように白く濁ってきます。
見え方は白内障に似てるかも。
治療としては眼球に注射するだけ。
……参考になります。
治りますか?でも繰り返すって……
(私が怖い。すごく参考になるけど怖い)
その時は治るよ。日帰りでできるし。
ステロイド点眼剤もあるけど膿疱性乾癬だと悪化すると言われているらしいから注射しかなくて。
聞いておいてよかったです。心の準備しておきます。
(不安になってきた……)
乾癬になって辛かったこと
乾癬歴約30年の佳路子さんの今まで辛かったことを教えてください。
1番は大学病院での教授回診でしたね。
部屋に回ってくるのではなく、教授や先生方、研修医たちがぞろぞろいる部屋へ行ってパンツ1枚にならなくちゃいけなかったんです。
20歳なるかならないかで知らない大勢の人の前で自ら脱がないといけないって、必要なことだとしても、どんな罰ゲーム?って思いました。
それが辛くてとてもストレスだったのは覚えています。
え……年齢関係なくそれはキツイと思います……
それに、成人式の時期だったので出たいと言ったら「そんな場合じゃないでしょ」と看護師さんにバリカンで刈られました。
当時は頭の乾癬がひどくてまるでヘルメットかぶっているような感じ。
「成人式より治療!」と言われて。
そんなこともあったんですね。
女の子でそれってなかなか心にきますね。
夏は暑いけど肌を出して歩けないし。見せたくないから。
それは皮膚病の人なら誰でもそうだろうけど。
「それなに?」って聞かれたところで答えても理解してくれないだろうと思ってしまって「アトピーだよ」って言ってしまったり。
アトピーは知らない人いないんじゃないかってくらいですもんね。
確かにその受け答えのほうが楽っちゃ楽です。
長年乾癬と付き合っているといろいろありますよね。
人目も気になるし、治療がうまくいかないこともストレスになりますし。
では、次は患者会についてお話をお願いします。
患者会の立ち上げとこれからしたいこと
2019年7月にあきた乾癬友の会を立ち上げましたが、どんなことがきっかけでしたか?
20歳頃の時、患者会は東北にありませんでした。
同じく膿疱性乾癬の知り合いがいて、その方が東京の患者会に入っているということで、一昨年くらいに患者会を知りました。
イベントに一緒に参加して、こんなに前向きな人がいっぱいいるんだと感動したのを覚えています。
ほんとに最近なんですね、患者会に出会ったのが。
それから東京の患者会の代表と連絡を取り合い、「秋田県にも患者会を作ってみたら?」と言われて立ち上げることになりました。
主治医の先生には役員さんを集めてくださり感謝しています。
全国で24番目、東北で一番最後の患者会立ち上げとなりましたが、今後どうしていきたいですか?
患者会ならずも新しい場所に足を踏み入れるということは勇気がいります。
患者会を知らない方、患者会が怖いと踏みとどまっている方、誰かとつながりを持たずに一人でいる方をサポートしたい、元気にしたいです。
また、都会とそう変わらない治療を受けられるため、治療格差はないと思われていますが、秋田県には生物学的製剤を受けられる病院が秋田大学病院しかありません。
秋田県は広く、足を持たない高齢者の方も多いです。
受診したくても行けなかったり、生物学的製剤も安くないです。
それを医療格差じゃないと言えますか?
整形外科でも生物学的製剤での治療ができるのに、それを知らない方も多いです。
もっとたくさんのことを声を大にして伝えていきたいと思います。
治療できる場所が増えるともっとたくさんの方が寛解への道が開けます。
患者からの声をもっと届けたいですね。
乾癬患者に伝えたいこと
佳路子さんが乾癬患者に伝えたいことはなんですか?
私はいろんな患者さんと繋がることができて、乾癬という病気は広く深いな、と感じています。
乾癬にも種類があり、それぞれ辛い症状や合併症あり、いろんな治療があって。
それを患者会に入ったことで情報交換ができて、1人じゃないと思えました。
主治医の先生とコミュニケーションをとるだけと、同じ患者さんたちと繋がり話せるのとでは違います。
患者さんと繋がると、自分がやっていない治療法についての情報などを経験者目線で聞けるのがいいです。
今の人生を楽しく、ポジティブに生きたいです。
乾癬に選ばれたと悲観せず、受け止めてみませんか?
「病は気から」と言うように、治そうという気持ちが大切です。
今を楽しみましょう!
前向きな姿勢、見習いたいです!
今回はお話ししてくださり、ありがとうございました!
ここまで読んでくださった皆様、お付き合いありがとうございました。
患者会では病気と向き合い、患者同士支えあい、治療についての情報交換などを行っています。
あきた乾癬友の会はこちら>>> https://akita-kansen.amebaownd.com/