乾癬とは
最近聞くようになった“乾癬”という言葉。
アーティストのヒャダインさんやモデルの道端アンジェリカさんが持病を告白したのがきっかけで知ったという方も多いことでしょう。(記事はこちら)
乾癬は免疫機能が異常を起こして自分の肌を攻撃し、炎症を引き起こします。
患部に通常の10倍の速さで皮膚が作られていき、できた皮膚が成熟せずに積み重なり、ぽろぽろと剥がれ落ちてしまう病気です。
簡単に言うと「皮膚の生成サイクルが早すぎる」という症状が起きる皮膚病です。
また、乾癬は軽快と悪化を繰り返す慢性的な病気であり、完全に治す治療法はまだ確立されていません。
症状によっては難病指定にされています。
日本には約50~60万人の患者さんがいるとされています。
乾癬の種類
乾癬は5つの種類に分かれています。
尋常性乾癬
皮膚が赤く盛り上がる「紅斑(こうはん)」、細かいかさぶたのような「鱗屑(りんせつ)」、フケのように剥がれ落ちる「落屑(らくせつ)」が主な症状です。
乾癬の約90%を占めています。
乾癬性関節炎
乾癬の皮疹が出た後に関節の症状(関節に腫れ、痛み、変形の症状)が出ます。関節の症状が出るのは数か月後~数年または十数年後で、個人差があります。
乾癬の3~10%を占めています。
滴状乾癬
溶連菌感染後に直径1㎝程度(水滴くらいの大きさ)の皮疹が全身に現れます。溶連菌の治療で治りますが、尋常性乾癬に移行することもあります。
乾癬の約4%を占めています。
乾癬性紅皮症
尋常性乾癬の皮疹が広がり、皮膚全体の80%以上が赤くなった状態。尋常性乾癬から乾癬性紅皮症に移行することがある。
乾癬の約1%を占める。
汎発性膿疱性乾癬
発熱とともに全身の皮膚が潮紅し、浮腫とともに無菌性膿疱が全身に多発する。難治性であることから厚生労働省の指定難病にしていされている。
乾癬全体でも非常にまれ。
我が子はこの膿疱性乾癬と診断されました。小児での発症は非常にまれだそうです。小児慢性特定疾患に認定され、治療中です。
原因
乾癬になりやすい遺伝的要因は乾癬患者の4~6割が持っていると言われています。
しかし必ずしも乾癬を発症するとは限りません。
乾癬は遺伝的要因に環境要因が加わり、免疫バランスが傾くことで発症します。
環境要因とは外的因子(感染症や生活習慣、ストレスなど)と内的因子(糖尿病、高脂血症、肥満など)のことです。
また、免疫に異常をきたしやすい体質の方が環境要因を伴って発症するというケースもあります。
息子の場合、遺伝子に異常はなかったので、免疫に異常をきたしやすい体質だったのかな?と思っています。
日本で60万人もいるってことは、約200人に1人に割合で乾癬患者がいるということですね。
治療
乾癬の治療法は4種類あります。
症状に適した治療を行いますが、慢性的な病気なため、「完治を目指す」というより「症状を抑える」ように治療を行います。
外用療法
多くの患者さんは「外用療法」から始めます。
塗る部位によって、軟膏・クリーム、ローションなど適したものを患部に直接薬を塗る治療です。
光線療法
紫外線を使った治療法です。
外用療法で効果がみられない場合や、皮疹が広範囲の場合に行われます。
内服療法
「外用療法」や「光線療法」と同時に行われる、飲み薬での治療です。
注射療法
「生物学的製剤」を使用する治療です。
光線療法や内服療法で改善がみられない場合に使用します。
乾癬まとめ
「乾癬」を知ってもらえたでしょうか。
乾癬は肌の状態が良い時と悪い時との差が激しく、誰しも「人目を気にせず外出したい」と思っています。
感染症ではないですが、見た目で距離を置かれてしまうことも多々あります。
長期間の治療になる乾癬の治療ですが、私も乾癬を持つ息子とともに治療に励んでいます。
乾癬を患っているあなたも、乾癬を初めて知ったあなたも、乾癬について正しい知識を持ってよりよい生活を過ごせることを願っています。
このブログを始めたきっかけ
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