乾癬の子を持つご家族へ、あのときの私へ、

乾癬の子を持つ親へ、あのときの私へ 乾癬
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こんにちは、男児の母です。

息子は生後5か月で乾癬(膿疱性乾癬)と診断を受けました。

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親の気持ちはみんな同じ

診断がついたとき、みなさんも同じく「乾癬ってなんだ?」と思ったと思います。

私もそうでした。

名前を聞いたことがない。

調べるたびに「乾癬は治らない」と目にしました。

どうして我が子が……

行き場のない気持ちを隠し切れませんでした。

乾癬になった原因は?

どうして良い体で産んであげられなかったんだろう。

今までの何かがいけなかったのか。

もしかして、妊娠中に無理をして動いたこと?

もしかして、妊娠中にシロアリ駆除したこと?

もしかして、あのときああしたから?

もしかして、あのときの行い?

もしかして、もしかして……

あぁ、考えるとキリがない。

納得する理由なんかなかった。

でも何かのせいにしたかった。

ただ、何かにすがりたかった。

自分を悪者にすることが1番簡単だった。

痛い視線と苦しい心

「可哀想」

「なんだこの顔」

通りすがる人達は知らずに心無い言葉を言う。

親が悪いとでも言いたげな目。

離れていく子どもを連れた親。

荒んでいく私の心と、減る外出。

加速する、自分への憎悪、子供への罪悪感。

「あなたのもとに生まれたのは奇跡」

あなたのもとに生まれなかったのも奇跡ということですか。

「越えられない壁はないから」

「良かったね、いいお母さんのもとに生まれて」

「強い人だから」

「神様に選ばれたんだから」

違う。

奇跡なんかじゃない。

「そう……ですよね」

言われて泣き笑いする。

同じ立場でない人からの言葉は心に刺さる。

複雑な気持ち。

綺麗事は聞き慣れた。

出会い

「大丈夫、絶対良くなるから」

「一緒に頑張ろう」

砂嵐のような私の心を救ったのは、乾癬患者さんからの言葉だった。

お互いに乾癬の辛さ、ケアの大変さを知っている。

一瞬にして心の砂嵐がおさまった。

ここだ。

自分の居場所を知った。

病気の経過、治療、お金のこと、メンタルの保ち方、全てを教えてもらえる場に出会えた。

同じ症状、同じ病気の人と出会えた。

治療法がたくさんあることを知った。

全国に患者会があることを知った。

たくさんの先生たちのお話を聞けた。

乾癬を、息子を理解することが出来た。

見える世界が一変した。

気持ちの変化

私は、私が悪いと思うことをやめた。

原因がなんであれ、息子が乾癬になったことに変わりない。

そして、原因が分かったとしても乾癬が完治するわけではない。

だから、自分を責めても状況は変わらず、ただ罪悪感が増えるだけ。

 

私は前を向くことにした。

多くの人たちの支えで前に進む。

遠回りしないように、まっすぐ進む。

私が迷ってはいけない。

信じるのは主治医、この子の回復力、そして自分。

見つめる先には

後ろを振り返るときもある。

ああ、あのときの息子も私も辛かったな。

でも乗り越えた先に今がある。

今を生きよう。

この先を見よう。

治療薬は年々増えていっているし、乾癬を知っている人も多くなってきた。

私たちの生きる未来は明るい。

乾癬を伝える

乾癬で選択肢を狭めない社会をつくりたい。

「乾癬でも」なんだって出来る社会を。

そのために必要なことは、認知度。

ひとりひとりができることは隠すことではなく”乾癬を伝えること”です。

まずは身の回りの人に乾癬を理解してもらいましょう。

家族、友人、学校、会社などで、過ごしやすい環境を作り上げよう。

見た目からの誤解を解く。

乾癬は感染しない。

「乾癬を伝える」は、自分や子どもの生活環境を変えるだけじゃなく、見えない乾癬患者さんの生活もサポートします。

乾癬の子を持つご家族へ

私たちにできることをしましょう。

  1. 家族に乾癬を伝え、理解してもらう。
    ケアをする人だけが理解するのではなく、家族全員が乾癬を知ることは乾癬の子のメンタルに大きく関わります。
     
  2. 主治医との信頼関係を築く。
    治療のこと、お金のこと、生活のことなどなんでも相談できるほどの信頼関係が理想ですね。
     
  3. ケア(治療)を怠らないようにする。
    毎日のケアが症状改善につながります。
    内服でも外用薬でも忘れずにやる、面倒がらずにやりましょう。
     
  4. 乾癬患者さんとつながる。
    全国には患者会があります。
    できれば患者会に入会して、知識と経験、新しい乾癬治療の情報などを取得しましょう。
    そのほか、LINEオープンチャット(無料・匿名)で乾癬患者さんとつながることもできます。
    病気はひとりで悩まないことが一番です。
     
  5. 相談できる人をつくる。
    相談や愚痴を話せる人がいるのは力になります。
    乾癬を知っている方なら、なお心強い。
     
  6. やりたいことをやらせてみる。
    行動に制限させたくないですよね。
    プールや温泉にも行きたい。外遊びでは紫外線に気を付ける。
    視線を気にしなければほんとはなんだってできる。
     
  7. 家族以外の人に乾癬を伝える。
    少しずつでもいいから家族以外の周りの人に乾癬を伝えてみる。
    例えばほんとにさらっと「うちの子乾癬で」とか。
    「乾癬ってなに?」と興味を持ってもらえると嬉しいです。
    知らない人に「肌どうしたの?」って聞かれたとき、「乾癬っていう感染しない皮膚病で~」って気軽に教えちゃいましょう。
    聞くなら答えるけど?スタンスでもOK。
    大事なのは『乾癬は感染しない』を伝えること。
     
  8. 自分の時間を作る
    これは誰にでも言えることですが、大切なことです。
    子どもの手が離れたとき「何もすることがない……」という状況に陥らないよう、今からでも自分の好きなことを探しましょう。
    私にとってはこのブログに記事を書くことや、YouTube動画を作ることです。
    家事育児にも追われていますが、隙間時間にできること・自分がハマれるものを見つけましょう。

私たちはできることをするだけ。

あの時の自分へ

肺の状態が良くなってきて春には退院だね~なんてのんきなことを言っていたあのころ。

乾癬、しかも指定難病である膿疱性乾癬になるとは思ってもみなかった。

いま思うことは、たくさんの出会いがあって、その多くの人の支えがあってここまで来られた。

私ひとりじゃ何もできなかった。

一緒にケアをしてくれる夫、信頼できる主治医、なんでも相談できる患者会の人たち、そしてSNSでつながってくれた方たち。

私は多くの人の影響、支えがあり、乾癬の認知を広めようと行動している。

膿疱性乾癬の子を持つ「男児の母」として名が知られてきていて、私も多くの人に影響を与えられているのかなと少しずつ実感してきている。

だからこそ正しい情報を発信したいし、多くの乾癬患者さん、乾癬を持つ親・家族とつながりたい。

「ひとりじゃないよ」って。

 

「”乾癬”って知ってますか?」

感染しないと伝えたい。

アトピーと同じくらいの認知にしたい。

息子の、乾癬患者の生きやすい社会を作りたい。

 

息子の入院中にひらめいた「乾癬を広めたい」という想いからここまで来た。

あの時の決意がなければ、今こうなっていなかった。

もしかしたら今も泣きながら息子のケアをしていたかもしれない。

 

あの時の自分に、たくさんの出会いに、ありがとう。

私はこれからも前を向いて歩きます。

この記事を読んでくれた、乾癬の子のご家族さま、ぜひ私と繋がってください。

TwitterのDM、またはこのブログのお問い合わせからご連絡ください。

あなたをひとりにはしません。

 

男児の母ロングインタビュー掲載

 

男児の母
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最後まで読んでいただきありがとうございました!

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